Churchストリートからブロードウェイに抜けて北上すると、St. Paul Churchにでる。教会の壁にはでかでかとポスターが貼られ、崩れ行くツインタワーの煙にまかれているSt.Paul
Churchの姿に「OUT OF THE DUST」の文字が刻まれている。惨劇の直後から、この教会はボランティア達の基地となり、救助作業に集まってきたたくさんの人々を支える休憩所として利用されていた場所だ。教会内に一歩入ると、今も当時寄せられた人々の暖かいメッセージ、救援物資、当時のボランティア達の写真などが展示されている。
この場所を拠点に大勢の人々の思いを胸に救助隊の消防士、警察官、軍隊の人々が数ヶ月にも渡って全身全霊で救助作業を続けていたのだ。
久しぶりに足を運んだ悲劇の現場は、着実にあの日から変わってきていることになんとも言えない感慨を受けた。 時の流れとともに自分自身に起きている様々な変化、成長がここグランド・ゼロにも確実に起きていた。当時を振り返りつつ訪れたこの場所で、かつて抱いた悲しみ、嘆き、怒りの感情を思い出しつつも、変わりつつあるニューヨークの姿に希望、未来といった言葉が少しづつ見えてきた気がする。
Ground Zeroのことを書くのは恐らくこれが最後になると思う。何年先になるのかわからないが、次にこの地を踏む時には新しいニューヨークのシンボルが今の工事現場に取って代わっていることだろう。
その頃にはニューヨーカー達もこの悲劇を心の片隅に抱えつつ、 力強くそれぞれの人生を歩んでいることだろう。
2003/05/24 記
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