翌日は車を借りて一日島を観光することにした。ホテルが立ち並ぶ西岸から15分ほどで首都オランヘスタードに着く。首都といってもダウンタウンがストリート二本ほどの小さな町だ。ここアルーバはカリブ海の島によくある免税の島で、たくさんのブランド品がお買い得らしく、オランヘスタードには免税の店があちこちに建ち並んでいた。スペイン・オランダのコロニアル調の建物がちらほらと並んでいる街中を過ぎると、車はすぐに田舎道に入った。島の東岸に出てこの島の名物でもある洞窟を目指した。
いつの間にか舗装道路はでこぼこ道に変わり、ようやく「トンネル・オブ・ラブ」という島に4つある洞窟の中で最大の洞窟に到着した。日本の鍾乳洞のように整った階段も、ランプもない洞窟に、懐中電灯一つを渡されてちょっとした冒険の始まりだ。案内人のかざすたいまつの炎を頼りに自然にできた、そのままの洞窟に身を屈めて入って行くと、なんだか自分がトム・ソーヤーになったような気分になる。参考までに、「トンネル・オブ・ラブ」とは、人々の間で時を繋ぐタイムトンネルだったと伝えられている洞窟らしい。残念ながら時の狭間を覗く前に、洞窟の出口に着いてしまった。
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