「ゲイ&レズビアン・パレード (其の1)」



ゲイパレードを見るのはもう6年ぶりぐらいだろうか。すっかり真夏日が続くニューヨークがまた一段とものすごい熱気につつまれる日がやってきた。ニューヨークだけでなく、アメリカ全土からゲイ&レズビアンが集結するこの日はニューヨークの一番暑い日かもしれない。パレードは12時からはじまって5時まで続く。5番街は見物客でごった返し、交通整理の警察官が至る所に立っている。今日ばかりはいつもの厳しい表情が心なしかほころんでいるようだ。それもニューヨーク市警の一群がパレードを行進して来るのが見え始めた頃からのような気がする。

今年は大統領選挙の年、ということは上院、下院の選挙も行われる。そのため、パレードの一群の中には得票目当ての人々も混じっている。今年の上院議員選挙に突如ニューヨークから出馬することになったファーストレディー、ヒラリー・クリントンも大勢のSPに囲まれて行進してきた。ニューヨーク市長のジュリアーニが行進していたのは市民もよろこんでいたが、ヒラリーの姿はなんとなく胡散臭く見えてしまうのはなぜなのだろうか。



このパレードは様々な団体が参加することで有名である。人種ごとの団体から地域ごとの団体、教師の団体、警官の団体、消防士の団体、政治団体、職場の団体、親子の団体、公民権運動の団体、エイズ救済の団体、女性の権利団体、NYのクラブの団体、ゲイバーの団体、その他にもまだまだたくさんある。もちろん全てがゲイとレズビアンの団体だが。よくまあこれだけばらばらの集団がこの日に一丸となるものだと驚くほどである。

沿道で見物する人々の表情も一様に明るい。今日のパレードを見る限り、彼らが学校や職場で様々な差別にさらされている現実をふと忘れてしまうほどだ。
艶やかな衣装に包まれてはいるが、その手に掲げられているメッセージボードには、「ゲイである家族を心から愛している」、「エイズ患者への助成金を増やせ」、「私はゲイであるために職場を追われた」、「レズビアンの結婚を認めて」、「男女の夫婦と同様な法的扶養措置を」等様々な訴えが綴られている。彼らのメッセージははたして見物客のどれだけに届いたのだろうか・・・

・「ゲイ&レズビアン・パレード (其の1)」
「ゲイ&レズビアン・パレード (其の2)」
「親愛なるJJ」
「ゲイ&レズビアン・パレード (輝けるパレード参加者たち)」



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