「スタッテン・アイランド行きのフェリー


マンハッタンの最南端、バッテリーパークの横にサウス・フェリーの乗り場がある。ここからスタッテン・アイランド行きのフェリーが30分おきに出ている。かつては50セントほど料金をとっていたのだが、現在は無料になった。大概このフェリーの客は、スタッテン島に住んでマンハッタンに通勤、通学している人達だ。まれに観光客がマンハッタン、自由の女神を離れた場所から眺めるために乗っていたりする。そう、実は高額になってしまった自由の女神行きのフェリーの変わりにこの通勤、通学用のサウス・フェリーを利用するのは結構賢い作戦なのだ(なんと言ってもただだし)。フェリーからの眺めはお金払ってもいいぐらい素敵だ。

昔はじめてこのフェリーの姿を見たのはTVドラマの”ニューヨーク恋物語”だった。映画の”ワーキング・ガール”の冒頭もそういえば、このフェリーでマンハッタンに通勤するメラニー・グリフィスが映っていたっけか。数々の映画の中で登場したこのサウス・フェリー、オレンジ色の船体は今も昔も変わらない。

 

スタッテン島はというと、大都市近郊の住宅街といった感じでめぼしい観光地も遊び場も特にない。なので、マンハッタン暮らしをしている者にとってはさっぱり行く機会がない。今回思い立ったのはほんのサイクリングのついでに他ならない。このフェリーのいいところは、ただで自転車が乗せられること。車は一応料金を取られてしまうのだが、人、自転車は無料なのだ。サイクリングのついでにちょっと海からのマンハッタンが眺めたい、自由の女神でも見ようかなと思ったときは、すかさずこのフェリーに乗ってみる。 これもまたNY暮らしの楽しみかもしれない。



New York Nowのインデックスにもどる