「セントラルパークの春」



4月になると、ニューヨークの長い冬が終わりを告げ、穏やかな春の風が吹く。久しぶりにセントラルパークに足を伸ばすと、春の訪れを今か今かと待ちわびたニューヨーカーでいっぱいだった。所々に見かける桜の樹が本格的な春の訪れを実感させてくれる。芝生の上には寝そべりながら語り合う恋人同士、ピクニックをしている家族連れの姿が目に入る。

このセントラルパークは数々の映画の舞台として何度も登場し、ニューヨークを舞台にした映画にとっては定番ともいうべき場所だ。古くは「ある愛の詩」にでてきたスケートリンク。これはセントラルパークにあるスケートリンクで、冬の間はロックフェラーのスケートリンクと並んでニューヨーカーの憩い場として親しまれている。メグ・ライアン主演の「恋人達の予感」では、セントラル・パークの四季がきれいに映し出されていた。秋には紅葉がきれいで、一面銀世界に変身する真冬のセントラルパーク、春から夏にかけて緑に染まる広々とした芝生もまた、コンクリートに覆われたマンハッタンで唯一自然を体感させてくれる。最近の映画でいうとリチャード・ギア、ウィノナ・ライダー主演の「オータム・イン・ニューヨーク」にも秋のセントラルパークが登場していた。



セントラルパークの中央に位置する、噴水のあるペデスタ広場では大道芸人がたくさんの観衆を集めて一人火を口から吹いていた。ここから湖沿いを歩いていくと、有名なボートハウスにでる。ここでゆっくりコーヒーを飲みながら、湖面に浮かぶボートをのんびり眺めている静かな時間が結構楽しかったりする。このボートハウスの隣にはレンタル・サイクルがあり、自転車を貸してくれる。自転車でゆっくりとセントラルパーク探検もたまにはいい。セントラルパークの南側の入り口付近には、家族連れでにぎわう動物園がある。ようやく訪れた春の日差しの中、あふれんばかりの人々で動物園までの道のりはいっぱいだった。


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