「ニューヨークに降る、20世紀最後の雪」









21世紀を目前に控えた2000年12月30日、ニューヨークに久しぶりの大雪が降った。こんなに積もったのは数年振りかもしれない。あまりの降雪量にブリザード1996を思い出す。ここ十年で一番雪が積もった年だ。たった一日で1フットもの雪が道路に積もったため、ニューヨークの街の交通機関はぼろぼろ状態になったようだ。テレビのNY1では立ち往生したバスの姿が写しだされていた。

ニューヨークの冬は北海道なみに寒いのだが、雪はあまり普段積もらない。だから、たまに雪が積もってもみんな準備ができていない。長野育ちの自分には信じられないことだが、ニューヨークのタクシーやバス、乗用車は普通タイヤのままで雪道を走るのだ。タクシーなど乗った日にはひやひやしてしまう。

街角では子供達がめずらしい雪に大はしゃぎでストリートで雪合戦をしていた。大量に積もった雪のせいで車の通れなくなったストリートは一時の遊び場と化している。心なしか道行く人々の顔もなんとなくほころんでいるような気がする。街を多い尽くす真っ白な雪が、いつものホームレスやごみ箱で散らかった汚いストリートを覆い隠し、別のニューヨークを見せてくれた。これがニューヨークで見る20世紀最後の雪かもしれない。


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