「夜のチャイナタウン」



地下鉄の駅(Canal Street)にて


夜のMottoSt.

ヤンキースのワールドシリーズ優勝記念パレードは仕事で見れず、気がついたらハロウィン・パレードも終わってしまった。NYの秋もそろそろ終わりを告げ、頬が痛い冬の訪れを感じはじめた11月のニューヨーク。久しぶりにチャイナタウンに行った。

ニューヨークのチャイナタウンはCanal Streetを中心に、南北に広がっている。この街に一歩足を踏み込むと、そこがNYであることをすっかり忘れてしまうほどの別世界が広がっている。道端に立ち並ぶ屋台は焼きそば、手羽先、ミニドーナツとすきっ腹に響く匂いを漂わせている。勧告客でむせ返るCanal Streetには香港かと見まごうほど偽物ブランド品が無造作に並べられ、丸焼きにされたダックが店先につるされている。
 
地下鉄6番線のCanal Street駅にはミッドタウンでは見かけぬ中国人のストリートミュージシャンが演奏を奏でていた。こ弦楽器の名前は度忘れしてしまったのだが、音色は結構好きだ。昔見た「ラスト・エンペラー」の風景が、わけもなく目蓋に浮かんでしまうのはやむを得ない。この弦楽器の生演奏を聞く機会はめったにないので、つい聞き入ってしまう。
夕飯は久しぶりに「HOP KEE」に行った。Canal StreetからMotto Streetを南に下り、よく行く中国のスーパー「KAM KUO」よりちょっと手前の地下にあるこの店で出すカニ料理はなかなか絶品だ。10ドルそこそこでチャイニーズ料理としてはけして安くはないが、どろどろに煮込んだカニを両手を汚しながらかぶりつくと空腹にはたまらない。付いてくる白いご飯にこのカニの汁をぶっかけて食べるのが絶妙なのだ。
 
この店のお勧めとしては「たにし」も結構いける。こんなもの食べれるのかと思いきや、穴を開けた貝殻の先を人差し指で押さえ、チュッと吸い込む瞬間に指を離すテクニックを使うとピュッと口のなかにたにしが飛び込んでくる。さすがに皿に盛られている量が多すぎて大勢で来たときにしか食べられないのが玉に傷だが。
 


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