Mt.Saint-Michel, France


パリからレンヌまでTGVで2時間、レンヌからバスで1時間半、乗り換えも入れるとおよそ4時間の旅でようやくモンサンミシェルに到着した。バスの窓には羊の群れが道路をゆっくりと横断している姿が見え、その後ろに聳え立つ孤高に美しい中世の島が視界に入ってきた感動は今でも忘れられない。まるで少年時代に呼んだアルセーヌ・ルパンの小説にでてくる奇岩城のような印象を受ける。一説によると映画「カリオストロの城」のモデルになったともいわれているが、真相は不明。



13世紀に立てられたこの修道院は今なお当時の姿をそのままに、まるで島全体が中世のお城であるかのような錯覚を覚える。かつては潮の満ち引きで島全体が完全に海に囲まれたが、現在はまだ砂地が全て隠れるほどは潮が満ちなくなったらしい。両脇にみやげ物屋に囲まれた急な参道を上るうちに、遥かなるノルマンディーの雄大な景色が建物の隙間を掠めはじめると目指す修道院はもうすぐだ。



修道院の建物に足を踏み入れてもなお、階段が続いている。ついにたどりついた頂上からの景色は息をのむほど美しいかった。四方を海に囲まれたこの島の頂上で、中世の人々が何を考え、何を思い描いていたのかは知るよしもないが、その場所で香る海のにおいは同じだったのではないだろうか。聖堂の天井は高く、パイプオルガンの音色がよく響きそうだ。驚いたことに、聖堂から奥に一歩足を踏み入れるとそこは地下道のように暗く、出口の見えない迷路のような部屋が無数に並んでいた。不気味なほどの静寂と、かたくなな世界が広がっていた・・・




お勧めスポット

  • 修道院(ここを見ずには帰れない)
  • ホテルのレストラン(どうやらオムレツ料理が名物らしい)
  • 城壁沿いの道
  • 島から離れた道(島の外からの眺めを見ずにはここに来る価値なし)



☆ワンポイント・アドバイス☆

  日帰りできますが、丸一日つぶれます。朝8時10分ぐらいのTGV(レンヌ行き)がパリのモンパルナス駅からでています。モンパルナス駅で、TGV、レンヌからモンサンミッシェルまでのバス料金も含んだチケットを買えます。もう一本早いので行くと、レンヌの街を探索できます。レンヌの旧市街地も一見の価値ありです。



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