番外編 「ニューヨーカーのリゾート地、ジャマイカ その2」



竹で組んだいかだでの河下り

 

勇気を試す崖

 

勇気を試す崖からの飛び込み

 

ジャマイカの最西端、リックス・カフェ





リックス・カフェから見る夕日

星とレゲエの島、”ジャマイカ”まで来ると、やけに時間の流れがゆっくりと感じる。のんびりした朝、目覚めと共に水着に着替え、テラスに食事にでる。ジャマイカ特産である”ブルーマウンテン”の代わりに出てくる薄いブレンドコーヒーを飲みながら、サミュエル・エル・ジャクソン似のコックさんがその場で作ってくれるウェスタン・オムレツ(玉ねぎ、ピーマン、ハム入り)をまだ眠りから覚めないお腹にゆっくり運ぶ。朝食を取るなんてすごく健康的だ。

バスタオルをピックアップしてビーチに寝転がる。日差しがジリジリと肌を突き刺すのを感じながら暑さの限界まで待って海に飛び込む。生暖かいカリブ海の水はじんわりと肌を冷やしてくれる。この感覚がたまらなく好きだ。少し体を動かしたい衝動に刈られて人生2度目のウィンドサーフィンにチャレンジする。どうがんばってもターンができなくて、あえなく翌日の3度目の挑戦にかけることにしてボードを手動で方向転換。30過ぎての挑戦はなかなか過酷だ。ウォータースポーツが無料でついているのでつい無理してしまう。

2,3日ほどホテルでのんびり過ごすとちょっと出かけてみたくなる。モンティゴ・ベイからそう離れてない場所にある川にラフティングに行く。竹で組んだいかだでのんびりと下る川の流れは緩やかだ。途中ドレッドをしてない船頭さんの採ってくれた、もぎたてのグレープフルーツを 頬張る。ちょっとすっぱいけど以外に甘い。1時間のラフティングに40ドルはちょっと高いかな。
 
ラフティングの翌日にいったシュノーケリング付きクルージングは快適だった。大きなマストに風をいっぱいに受け、紺碧の海原を失踪する。天然の白い砂浜をもつドクターズ・ケイブの近くで見た熱帯魚達は、不思議なほどきれいだった。ヨットはその後マルガリータ・ヴィラに行き、ウォータースライダーをたっぷりと堪能した後、サンセットを見ながらのクルージング。ホテルのプライベートビーチでは見えなかったたくさんの熱帯魚が見れて、ちょっと得した気分になった。
 
最終日に出かけたネグリルはジャマイカの最西端にあり、 島一番のビーチがある。7マイルビーチと呼ばれ、11キロにも及ぶ、延々と続く真っ白な砂浜は掛値なしに素晴らしい。ビーチを行き来するガンジャ売りのラスタマン達が結構うっとうしいが、これもまたジャマイカらしいところかもと妙に納得する。だってガンジャはラスタフェラを感じる神聖なものなのだから(別に吸いたくはないが)。
 
7マイルビーチを超えてさらに西に進むと”Ricks Cafe”がある。ここはカリブ海に沈む夕日を眺める絶好のスポットだ。日が沈む前に名物の崖から飛び込みを眺める。勇気を振り絞った者のみに与えられる観客の賞賛を求めて次々と海に飛び込む姿は壮観だ。せっかくここまで来たのだからと崖に立ってみるとさすがに足がすくむ。ええいままよとまっさかさまに海面に吸い込まれる感覚はフリーフォールの比ではないと思う。水面に再び浮かびあがる頃には小さな勇気をたたえる賞賛の拍手が妙にくすぐったい。まだ若いなと密かにほくそえんでしまった。
 
ステージでは、この島に来て以来耳に染み付き出したレゲエのリズムが鳴りはじめた。さんさんと照りつづけた太陽が静かに赤く染まり、水面へと吸い込まれ始めている。水平線に重なる太陽がゆっくりとその姿を消して行くのと引き換えに、空いっぱいの星達が顔を出してきた。探していたサザンクロスはどうにも見つけられなくてちょっと悔しい。明日はかぼちゃの馬車ならぬ飛行機に乗ってNYの現実にもどるのかと思うと、なんだかさびしくなった。

 


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